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新刊案内 「カリスマビジネスマンは使っている 洗脳力」
カリスマビジネスマンは使っている 洗脳力


【本書概要】
売れないと悩むセールスマンは数多いる。しかし、ほとんどの人はその原因に辿りついていない。無論それが自分自身にかけている洗脳にあることを知る者はいない。

本書では、トップセールスマンは「自分は世界一のセールスマン」「自分の売っている商品は世界最高」といった洗脳を知らず知らずのうちに自らにかけていて、売れないセールスマンは「自分はこれから先も売れないセールスマン」「自分の売っている商品は性能のわりに高い」といった洗脳をかけているとしている。

洗脳は、正しく使えば思わぬ力を発揮するが、邪悪な目的で利用すれば、財産や人間関係を奪われ、廃人同様にすることすらある。売れないセールスマンはまさに、邪悪な目的で洗脳を利用する組織同様に、売れない責任を他人や会社に押し付け、自らを正当化し、売れないように売れないように自己洗脳をかけている。

第一章で洗脳のメカニズムを解説し、第二章以降で、マイナスの自己洗脳をプラスへと転換させ、売れるセールスマンへと変身する手法を解説している。また、リーダーが部下を育て、チームを売れる組織へと変身させるための洗脳に関しても最後に解説している。
全体を通じ、メディアによってネガティブなイメージが植えつけられた洗脳に、改めて脚光をあて、洗脳を使ってビジネスで成功することを目的とした内容となっている。



【本書の内容構成】

■はじめに

■第1章 洗脳のメカニズム
1.洗脳・マインドコントロールとは?
2.自己洗脳とセルフマインドコントロール 
3.洗脳を悪用する組織
4.洗脳を悪用する団体の勧誘方法
5.加入にのりやすい3つのパターン
6.洗脳のプロセス(1) アジトへの誘い込みとアプローチ
7.洗脳のプロセス(2) 準備段階
8.洗脳のプロセス(3) 洗脳にかける
9.洗脳のプロセス(4) 今までの価値観を破壊する
10.洗脳のプロセス(5) 組織が求める条件を植えつける
11.洗脳されたメンバーはどうなるのか
12.洗脳されると組織から抜け出せないわけ
13.洗脳されないために
14.洗脳からの脱出法

■第2章 洗脳で商品に対する思い込みを変える
1.セールスマンと洗脳
2.セールスマンの意識検証(1) 内向的だと永遠に浮かび上がれないのか?
3.セールスマンの意識検証(2) トップセールスと売れないセールスを比較する
4.セールスマンの意識検証(3) 住宅大手5社の商品を比較する
5.自社商品に対する思い込みを変える(1) 自己洗脳の準備
6.自社商品に対する思い込みを変える(2) 自分自身を洗脳する

■第3章 究極の自己洗脳に向けて --身のまわりを整理する--
1.「自分は売れないセールスマン」という思い込みを変える準備
2.身の周りを整理整頓する
3.頭の中を整理整頓するための具体策(1) ビジュアル化する
4.頭の中を整理整頓するための具体策(1) 過去にケジメをつける
5.頭の中を整理整頓するための具体策(1) 気持ちが散漫状態になることを避ける
6.販売ツールを充実させる
7.豊富な知識を身につける
8.外見とマナーを見直す
9.行動量を増やす
10.科学的セールスを習慣化する
11.スキルを高める
12.健康管理と体力づくりを実践する

■第4章 究極の自己洗脳に向けて --他責の罠から逃れる--
1.変えられるのは自分自身だけ
2.「他責の罠」とはなにか?
3.「他責の罠」は薬物中毒のようなもの
4.売れない原因が自分にあることを認識する
5.気持ちを切り替える(1) 試練に出会えて運が良かったと考える
6.気持ちを切り替える(2) 完全でなくてもよいと考える
7.気持ちを切り替える(3) 欠点を探すよりも長所をみる
8.気持ちを切り替える(4) あるものに目を向け感謝する
9.気持ちを切り替える(5) 成功体験を思い出す

■第5章 究極の自己洗脳でトップセールスマンになる
1.積極的な言葉を毎日唱える
2.積極的な行動を修行として実践する
3.積極的なパフォーマンスを実践する
4.音楽の力を活用する
5.ホメオスタシスを活用する
6.気持ちをビジュアル化して、視覚から働きかける
7.プラスのイメージを心に焼き付ける
8.プラスのイメージに向かって行動する自分になる
9.マイナスイメージをやる気のバネにする
10.究極の洗脳テクニックを使う

■第6章 洗脳で部下を育てる
1.部下の育成はなぜ必要か?
2.部下が育成した状況とはどんな状況か?
3.どうやって部下を育てるか?
4.OJTにおけるティーチング(1) 部下のほめ方、しかり方
5.OJTにおけるティーチング(2) 部下に手本を示す
6.ティーチングで洗脳を使う
7.コーチングの段階で洗脳を使う

■おわりに



【著者略歴】
立石実美(たていし・じつみ)  
昭和25年、長野県茅野市生まれ。昭和48年法政大学社会学部卒。
同年、積水ハウス入社。以来15年間営業の第一線で輝かしい業績を残す。昭和63年、社長室に転務。能力開発担当課長として営業・マネジャー研修のプログラム開発や研修講師を経験する。平成4年8月H・R・D(Human Resource Development)研究所を設立し、同研究所所長に就任。
現在、コンサルタントとして、「売れないセールスマン」を「売れるセールスマン」に変えてほしいという全国の企業からの要望に応えるため、講演・研修にと活躍中。

主な実績と記録:
月間受注棟数/11棟、年間受注棟数/51棟(その内47棟が紹介)、最年少300棟達成/34歳、3億コンペ連続入賞/18期(9年)連続、3億コンペ最多金額/12億1000万円、契約棟数第1位/6回、最多店長表彰/10回(第1位店長4回)、営業所総合優秀賞/8半期(4年)連続
主な著書に『いかに楽をしてたくさん売るか』『セールスは心理学だ』『鬼の住宅マネージャー』(ともに住宅産業新聞社刊)『なぜ売れない ! セールスマンがはまる7つの罠』『売り上げ300%UP! セールスの極意』(出版文化社)がある。
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テーマ:営業 - ジャンル:ビジネス

北京――初めての海外研修旅行

創業から25年目にして、ようやく実現できた海外研修旅行で5月22日から4日間、北京に行った。初めてのことで不十分なこところがあり、準備不足な点もあったと思うが、まずは、社員みなが事故なく無事で帰ったことに安堵している。

東京の社員には実質的に2泊2日という厳しい旅程になってしまったので、ほんとうに喜んでもらえるだろうか、と心配しつつ出かけていった。少なくとも旅行中には、忙しく、充実した時間を過ごしてもらえているようだったが、どうだったろうか。人事からアンケートを出してもらい、それらを集めて、6月の経営会議で全体の総括と、問題点と改善方法の把握をし、次の企画に活かせたいと思う。

社員とともに海外旅行をすることは長年の夢であった。小生自身が、21歳の時にイギリスへ行ったところから今の人生が始まっているように、海外旅行には心と人生を揺さぶる多くの要素が詰まっている。歴史と風土を実感し、文化と民族性を発見し、それによって視野を広げ、多様性を受入れ、自国・日本への新しい視点を得る。百聞は一見に如かず。100冊の本を読むより、現地に赴いて得る成果の大きさは今も昔も変わらぬ事実である。

「まさか、社員みなで海外旅行に行ける時代が来るとは思いませんでした」と、あるベテラン社員が旅行中につぶやいた。小生自身は、いつかは皆と海外旅行ができる日をつくりたい、と思っていたので、もっと早くそういう目標を共有できるようにすべきだったと反省した。

訪れた北京は800年あまり中国の首都として栄えている都市。歴史の上に歴史が積み重なって、その上に共産主義と近代国家が建っている。あと2ヶ月あまりで初めてのオリンピックが開催されようとしている。日本で言えば1964年の東京オリンピックだが、北京はその時代よりも遙かに前進している。日本がその後44年間をかけて遂げた経済成長と社会的発展を、とう小平が実権を握った1978年以来、共産主義を掲げつつ実現してきた国家である。その最先端を走るのが北京と上海であり、その勢いを目の当たりにできた今回の旅行に、社員たちはどういう視点を得られたであろうか。

直前に四川大地震がおこってヒヤリとした。旅行計画を危ぶむ声も聞かれたが、阪神・淡路大震災の時を思い出して、こういう時こそ訪問することが中国国民への励ましになると信じて催行した。東京の社員は間に合わなかったが、初日の出版関係者を招いた夕食会では、冒頭で四川大地震の犠牲者へ1分間の黙祷を捧げた。そして小生より哀悼のスピーチを発表し、来賓の代表者・王平氏(天潤力澤文化発展有限公司代表)から答辞をいただいた。彼は今回の日本政府と日本国民の支援に感謝を述べ、ついで出版文化社の中国への積極交流に、深甚なる謝意を表明してくれた。「来て良かった!」と心が軽くなった。

来年はハワイを目標にしている。ハワイというと遊びだけ? と思われるかもしれないが、それでは研修旅行にならない。ハワイと日本には深くて長い交流の歴史がある。明治維新のころ、ハワイが欧米に接収されようとしたとき、ハワイのカラカウア王は日本の天皇に支援を求めた。その時、いち早く日本がハワイを支えていたら、あの真珠湾攻撃は無かったし、日本-ハワイ-沖縄という強固な三角関係ができていたかもしれない。そういう歴史を体験できる旅行に、また皆で行けるように励みにしたいと思う。そして、いつかは夫人同伴の社員旅行になれば、小生の夢はまたひとつ実現する。

                                                    浅田厚志
勉強しない人は、当社の後継にはなれない

サラリーマンのころ、取引先との会食の席で「出版社に勤めている方はよく字を知っているでしょう?」と言われて、恥ずかしい思いをした。“渾身の力”という話が出てきて、どんな字だったかな? と聞かれて自分でもあやふやなのに「懇親会」の懇に身でしょう、と答えてしまった。恥ずかしくて、翌日お詫びのハガキを書いたのだが、しばらくその担当者に会うのを避けたほど身にしみた。

ついこの間も6名ほどで話していて「あの、有名な香港のホテル・・・、あの半島という名の・・・何でしたっけ」と私に顔を向けてきた。「半島? 朝鮮半島の? えーっと・・・ペニンシュラですか?」「そうそう」この時はたまたま知っていたけれど、出版社の人だったら知っているだろう、とあたり前のように尋ねてくる。

私たちは情報や資料を編んで原稿や本にする。それは一般の方からすると「知」を編むということに他ならない。それに恥ずかしくない勉強をし、仕事をしなければならない。 

しかし、あらゆることの知識を常に入れるというわけにはいかない。そこで必要なのは、重要度の高い知識は怠らず、継続するということだろう。私たちにとって、重要度の高い知識とは何か。社史をつくるヘリテージの分野も出版企画部門にしても、ビジネス、経営関係の情報を扱っている。そうすると、日経新聞に目を通すのはまずは第一の日常行動として求められる。

日々、流れる情報は日経新聞で定点観測ができる。それ以外にも仕入れる情報源はあり、そこは各自の工夫があってよい。それでも日経新聞に目を通しておくことは、まぬかれるものではない、ということを肝に銘じておきたい。

次に専門家として、専門知識を入れることだ。これは社史部門も、出版企画では異なる。また、現代は変化が激しいので、間断なく学び続けないと、すぐに情報は古くなる。社員は毎月の読書研修を活用していただいて、自分に足らないと思われる分野を強化してほしい。

いま繊維業界をはじめとして、日本のいろんな業界が中国の追い上げに苦しんでいる。手や機械を動かすところから利益を得ようとすると、今後はさらに苦しくなるばかりだ。一方で、自動車業界は環境対応や高燃費の付加価値が評価されて売上を伸ばしている。利益はいつも他社との企画や技術の格差が源泉になっているのだ。

私たち出版業界も同様で、智恵が無くなったら、手を動かして利益を出すしかなくなる。すると、利益の源泉は低賃金長時間労働の方向に行くしかない。それは私たちの首を真綿で締め付けることになるのは、おわかりだろう。私たちの生活品質を向上し、維持してゆくには粗利益を上げる必要があり、その源泉は私たちの智恵にあるのだ。

当社の社員は、毎日、懸命に仕事をしていただいている。企画営業は顧客との新しい接点を求めて開拓する。編集は創意工夫をこらして、少しでも顧客満足の高い商品を提供しようとしている。それは日々、市場と顧客との戦いである。しかし、もっとも効果があるのは顧客から尊敬されることではあるまいか。「あの会社はスゴイ」「あそこの社員はよく勉強している」と顧客が思えば、顧客は他社に逃げなくなるし、完了後も紹介や推薦をしていただける。

出版社は、機械設備をおいても、それでよい企画ができるとはならない。一番の設備で、財産は人そのものであり、その人達の品質にかかっている。このことを忘れずに自分に克って勉強を続ける人こそ、我が社の次代を拓く人材になりうる。
                                  浅田厚志
ロンドンブックフェア報告
4月13日~21日まで、ロンドンブックフェアに参加をしてきました。その時の報告をいたします。さらに詳しい内容に関心がある方は、ご連絡をください。浅田。

【ロンドンブックフェアのレポート】

■2008年4月14日~16日 開催:ロンドン市内 アールズコートにて 

●はじめに
国際ブックフェアへの参加は、3年前の北京以来だから久しぶりである。それまでアメリカブックフェアに2回、北京ブックフェアに2回、参加をしてきた。出版のマーケティングと企画の国際的な汎用性でアメリカを見、世界で最も成長していると言われる中国出版界との付き合いをするために、参加をし、人脈をつくって来た。
両国には、出版業界の友人、知人ができたが、ビジネスのほうでは出版企画の翻訳権売買にとどまってきた。
当初は、アメリカ出版業界にはいっていった。1998年頃からアプローチをはじめ、数社の出版社本社を訪問して、当社がアメリカで本を出すときの流通を確保した。
そして、日本の著者で、アメリカで本を出したい、という会社を2社見つけ、2001年8月15日に㈱国際出版企画、International Publishing&Planning Inc. という会社をカリフルニアに設立した。
9.11はその翌月に起こった。まさに、晴天の霹靂で、2社のお客さんは「しばらく様子を見ます」と言われて、来ていた話は実質的にキャンセルになって、アメリカでの国際自費出版というビジネスは頓挫してしまった。翻訳権の売買は5件程度にとどまってしまった。
その後、中国出版業界へ入っていったのであった。
中国では、いままで約20件ほどの翻訳出版権を扱ってきた。しかし、ほんとうのねらいは、中国での社史のビジネスの見通しと、中国向けの国際自費出版にむけての人脈を作ることである。
米国とのビジネスは途絶えてしまったが、中国とのビジネスはいまも続いている。2010年に上海万博が終わったら、本格的にデジタルのヘリテージサービスで中国進出を始めたいと考えている。

●そのような中での英国ブックフェアについて 
今回の最大の目的は、

1)しばらく先進国のブックフェアから遠ざかっていたので、自分の目で出版先進国の動向を確かめたい。それでもって、今後の出版文化社としての出版活動の方向性を考えたい

2)いい翻訳出版できる企画があれば、オプションをとる。

3)中東の出版業界が今年の特別開催企画になっており、同出版業界の現状の把握をしたい。あまりよくない意味で注目されている中東の、日本での今後の出版の見通しなどを考えるため。

●今年の成果 

1)についてであるが、

A:英米の出版業界はまだ書籍中心 
 日本ではデジタル出版が急速に普及しており、一定のマーケットを作ってきている。その余波で書籍出版が厳しさを増しているが、英米の出版業界はまだ書籍出版を一生懸命にしている、というのが驚きと感想だ。英語のありがたさである。マーケットは世界的にあり、年々その需要は増すばかりである。欧米のマーケットは一体化しつつあり、欧米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどの英語圏をひとつのマーケットとして出版活動を行っており、それらをひとつのエリアとして流通を担っている会社がいくつか出展していた。そういう会社は、2年前の米国ブックフェアにもあったが、それらの数が増え、規模が大きくなっている。それらの会社は、自社をとおして本を英語圏の世界に流通させられることをアピールし、顧客獲得に躍起であった。顧客とは出版社である。出版者の依頼を受けて、流通を請け負うというわけだ。

そして、上記のマーケットに加えて、今後台頭することが確実であり、かつ世界最大のマーケットになる可能性が高いインドが控えている。いよいよ眠れる巨像の時代がくる、ということだが、英語圏の出版業界としては、まだインド国内の出版マーケットが整備されていないため、市場としては加えられていないようだ。しかし、それは確実に到来する世界最大の英語マーケットなのである。「英語はいいなー、市場がでかくて」というのが今のところの偽らざる感想だ。

しかも、である。これから台頭してくる英語マーケットは、まだ中進国が多い。よって、デジタルデバイスよりも、やはり本なのである。ハードウエアとしての本が売れる。

英米の出版社は、まだまだ書籍が売れる、という確信をもっているのは、こういう市場の底辺があるからではないか。あるいは、まだ本が売れる、マーケットは大きくなる、という感触をもっているからではないか。まだ、本が売れると考えていることは間違いないが、足下はというと、書籍マーケットの伸び率が1~2%程度に縮んでおり、米国の世界最大の書店・バーンズ&ノーブルも年々伸びてきた売上が頭打ちの時代を迎えている。先行きはけっして明るくはない。

それでも、日本のような11年連続に売上が縮んでいるマーケットとは根本的に考え方が違う。逆に、欧米出版業界のデジタルコンテンツについての対応がBFを見る限りは、遅れているように思った。ここでヨーロッパを一緒に考えてよいのか、という問題がある。英語圏ではないからだ。また、小さな国がたくさん集まってできているのがEUだ。このマーケットはどうなっているのか、とみて見ると、英語圏以外の出版社も多く出展してはいたが、小さかった。ドイツのベルテルスマンは、いまや世界最大の出版会社だ。ここはさすがに大きい。しかし、ベルテはドイツの出版社の枠を超え、英語での出版案内を中心にしていた。そうだろうと思う。

それ以外の出版社もあった。オランダやベルギーやトルコ・・・だが、それぞれは小さなブースであって、その言葉に通じる人たちしか読めない本だから、そういう人しか集まっていなかった。EUは貨幣では統合されたが、言葉での統合は難しく、このまま行くと各々の出版業界はまことに小さな物になるしかなくなるだろう。

さて、電子化が進む日本である。いま、苦しんでいる日本の出版業界が、技術的にはここでリードできるかもしれない。日本は、携帯電話を初めとする電子機器の普及がすすみ、デジタルコンテンツへの対応が早い。ここをがんばって開発すれば、世界に先駆けてデジタルコンテンツの業界をリードできるかもしれない。デジタルコンテンツには国境は低い。社史がDVDやWEBになって来ているように、出版をデジタルで積極的に開発することで、いまの日本語だけのマーケットではなくなってくるのではないか。デジタルの翻訳はまだ、品質は不十分だが、これも時間の問題である。いずれ、各々がもっている携帯電話を通じて、目の前にいる異国の人と話をすれば、通訳なしで自国語で話ができるようになるだろうし、他国の本をダウンロードして、自国語に変えてすぐに読める、というようなことにもなるはずだ。そうなると、他国の人々にも関心をもってもらえるコンテンツをどれだけたくさんもてるか、それにかかってくる。そのように思えてならない。

帰途の列車の中で、日本人女性で、バージン航空の機内誌を作っているという女性にあった。彼女は福岡県出身で、ロンドンに住んで14年。日産に勤めていたが、最近、リストラがはげしく、その編集会社に移ったという。そこでいわれていることは、日本の作家の海外での人気が高い、ということ。それと、英米出版社の書籍販売の苦戦ぶりである。

傍目にはわからないほどに、中では苦しんでいる、らしい。彼女は出版業界ではまだ1年にならないので、情報は不確かで、どうしても感性的であろうと思う。今後のデジタルへの対応が難しいと漏らしていた。

B:環境関係のテーマを専門に扱っている出版社と知り合いになった。
  ZEDブックスというロンドンにある出版社は、環境関係の出版物を中心に扱っている出版社の流通会社。その中の取り扱い書籍で、子供向けと大人向けに翻訳出版できそうな面白そうな本がいくつかあったので、見本を送ってくれるように依頼をした。わかりやすく環境について語っている本がないか、というのは、本をハンティングするひとつの目標であった。ブックフェアを回ってみて、少なくない出版社が環境関係を扱っていることはわかった。しかし、ほとんどが大学教授が書いた学生のテキストであった。それなら別段、日本でもコンテンツは手にはいる。いや、ぎゃくに環境問題なら日本のほうが進んでいると言ってよい分野もあろう。しかし、大衆相手や、子供向けの啓蒙書で、バイブルになるような本は世界的に見て、まだない。『地球の秘密』もその一つの候補であることは間違いないが、いろいろあるので、一般人にとにかくわかりやすい環境の本を探したい、と考えていた。環境をテーマに専門的に突出している出版社は、BFで見る限り、たった1社であった。しかも、見逃してしまいそうな小さなブースであったので、見つけたときは安堵した。

まずは、3,4冊の本を送ってくれるように依頼したので、楽しみに待ちたい。

ちなみに、セールスマネージャーの男性・デービッド氏の夫人は日本人だといっていた。

帰朝後、連絡を取り合って、出版の話を詰めましょう、ということになっている。

C:日本の出版業界の影は年々薄くなっていく
 1980年代後半から前半に掛けては、欧米のメディアでも日本がよく取り上げれた。いまでは、それが中国になっており、中国に関する出版物は、欧米の出版業界でたくさん出版されていた。日本物で見つかったのは、デザインの分野と建築の分野と、マンガ。マンガはもう国際語になっているので、論をまたない。英米にもマンガ専門の出版社があり、日本物と自国のオリジナル作家のマンガも出している。デザインでは、グラフィックと建築分野でのデザインで、日本の建築物と建築家を取り上げていた物が散見された。

中国、韓国の出版協会は出展しており、いくつかの出版者が集まって出展しているブースも見つかったが、日本の出版業界の出展はひとつも無かった。業界自体が元気が無く、それどころではない、ということだろうか。陰は薄くなっていることをひしひしと感じた。

D:デジタルコンテンツの出版活動は、まだ著についたばかり
デジタル出版の進歩がどれほどに進んでいるか、というのは、今回の最大の関心事であったが、これは驚くほどに、影響が小さかった。また、ブースのエリアとしても小さい。欧米ではまだ、本気でそちらのほうのマーケット開発を考えているとは思えなかった。

デジタルコンテンツを流通させる会社は、10社ほど出ていた。それぞれは自社のコンテンツの販売技術を紹介していたが、小さなブースで会社としての対応も、十分には思えなかった。世界的な本の販売をしている会社でも、WEB上で45カ国の本の販売をしているが、書籍だけであった。先々には、デジタルコンテンツを売りたい、アマゾンのような会社になりたい、と鼻息は荒いが、まだまだこれからだった。

そういった中で、ひとつ面白かったのは、書籍のスキャニングを自動でする機械だった。書籍の本文ページを吸盤のような物でめくり、1ページずつスキャンをして、データとして取り込む。機械には本を置くだけ、というしろものだが、たしかに手間を省いて便利そうにも見えたが、機械購入代金が700万円という費用対効果を考えると、まだ時期尚早であるように思った。

E:社史の会社とは連絡つかなかった
 当社の英文社史研究会で英国の社史の会社との連絡がついたそうだが、渡英の直前に宛先を知って、すぐにメールを送ったが、先方からの連絡はついに無かった。本社所在地はケンブリッジで、ロンドンからは車で約4時間。遠いので、訪問するほどの時間はとれていない。また、もし、ブックフェアに関係者が来るなら面談をしたい、という依頼をしたが、誰もきていないのだろううか、それについての返事が来なかったので、今回の面談はできなかった。

 次回に機会があれば、もっとよく準備をして、訪問などの取り組みをしたいと思う。

●中東の出版マーケットについて 

大きなブースから、小さなブースまでさまざまな出版社が出ていたり、国の出版協会が自国の出版社の本を預かって、出展していたりなど、積極的な出店が見られた。しかし、さほど、人が集まっている様子ではなかった。広いブースで、人の流れをぼんやりと見ている3人の男性若者が目に付いた。イエメンの出版協会だった。

中東は特別開催なので、今回のBFのめだまのひとつであった。しかし、それは現在、世界から差別的な目で見られている中東に対する英国の寛大さであり、同時に、言論の自由を保障されていない国の出版業界を支援する意味もあるだろう。しかも、3年前にロンドンテロがあったわけである。その傷が癒えない英国でどれほどお客さんと関心を集めら得れるだろうか、というのはひとつの関心事であった。

小生にしても、中東の出版業界についてはまったく知識を持ち合わせていない。ほんとうに資本、経済的に独立した出版社が機能しているのだろうか、という素朴な疑問から入っていった。

まず、最大の出店ブースはエジプトだった。「あなたの国の本の中で、ベストセラー、ロングセラーについて教えてほしい。特に、ビジネスマン向け、若者向けの本があれば」
と問いかけてみたら、中から30歳前の男性が出てきた。しばらく考えて、難しい・・・といいながら、紹介してくれたのは自国の歴史をイラストをたくさん入れて紹介している本だった。他に出してきたのは、子供向けの絵本、ああそう・・・、とあえてそっけない態度で、他にはないの? と聞いてみる。どういう本が欲しいんだ、と再度確認するので、前述のことを言うと、いや、それは難しい、と展示物のウラに引っ込んでしまった。やはり国家として取り組んでいる出版社であって、言論の自由が十分に守られているわけではない、というのが、のちほど英国人に聞いた話である。

思い返してみると、サダト大統領がパレード中に暗殺されて、かれこれ27,8年になるだろうか。そのあとを継いだのは副大統領だったムバラク氏。暗殺はイスラエルの仕業だ、と当時の新聞は伝えていたが、ムバラク氏の犯罪説も一部の人から流れた。仮にそうではなくても、同じ大統領が30年近く政権のトップに座ると、どういうことが内部で起こっており、それを糾弾しようとするマスコミ、検察関係は相当な覚悟が必要だろう。

やはり、こういう国では言論と出版の自由、という2大テーマがまだ整っていない。ましてやエジプトですら、である。サウジアラビアと並んで、西側諸国に近い国である。他の中東国は推して知るべしと言ってよいのではないか。

そんなことをつらつら考えると、ほかの中東各国のブースを回る意欲も萎えてしまった。アラブ首長国連邦、サウヂアラビアを回ってみたが、同じ質問に出てくる本は、やはり自国の歴史を誇らしげに伝える本と絵本。そこまででアラブ他国の出版社ブースには行かなくした。それでなくても、時間は惜しいのである。

成果物としては、先の環境関係の本と、他にも翻訳出版できそうな企画、とくに欧米芸能著名人の自伝、伝記にはもしかしたらいけるかも・・・というような本もありそうだ。他にも、集めて、日本へ大きな箱で送付した。これらを紐解いて、よりよい企画を考えたいと思っている。

                                                  以上 浅田厚志
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