ビジネス書業界に影響を与えた2冊
最近、著者の方と打ち合わせをしていて、
必ずといっていいほど話題に上る本が2冊あります。

1冊は、ご存知『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』。
同書は、会計入門書として、ビジネス新書ブームの火付け役になった本ですが、
いい意味でも、悪い意味でも、ビジネス書業界に大きな影響を与えた本です。

この本のいいところは、専門用語や難しい内容について、
身近な疑問やできごとに例えて分かりやすく解説した、という点。
目新しい手法ではないけど、この試みがスパッと決まっており、
その後発刊された、軽めのビジネス書をみると、明らかに影響を受けています。

一方、悪いところ(賛否分かれると思いますが)はタイトルの付け方です。
この本のヒットを受け、「なぜ○○は○○なのか?」といったタイトルの本が粗製濫造されました。
もちろん良書もありますが、多くはタイトル倒れというか、中身とのギャップが大きいです。

著者が話題にする2冊目は、『千円札は拾うな。』。
目先の小さな利益に奔走せず、もっと長いスパンで大きな利益を考えよう、
という人生観から、こんな例えのタイトルになったようです。

この本もタイトルは奇をてらっていますが、成功しています。売れました。
内容も、文章スタイルも秀逸です。
例えば、「私に言わせれば○○だ」に代表されるように、
著者が持論を展開するときには、自信をもって「断定」しています。
扱う内容も「極論」が多い。このへんは、著者も「意識してそう書いた」のだそうです。
極論だけど言い切って、読者を迷わせない。
きちんと計算した書き方なので、参考になると思います。(直)
涙がでました
先日会議の合間にこっそりメールをチェックしていたんです。すると著者から一通のメールが。なんと本がきっかけでNHKの3時間の生放送に招かれたという内容だったのです。
確かにその著者の作品は、発売から2カ月で1万冊を超え、ヒット作と呼べる書籍の仲間入りはしていますが、まさかNHK出演までとは思いもよらなかったためか、「いよいよマスコミデビューですか!!」と思わず私の指は勝手にキーボードを叩いていました。(もちろん休憩中です)
すると、その著者からすぐに返事が届きました。「本当にいい書籍が出せて良かったです」と。
さすがにこのときばかりは会議中にもかかわらず、涙があふれそうになってしまいました。その直後に求められた発言の内容はグダグダでした。
あまり現実的ではないかも知れないので、比較するのはおかしいかも知れませんが、私にとって、ある意味100万部のヒットを生むよりうれしかった瞬間になったかもしれません。そしてこれからどんなことがあっても、編集という仕事にずっと携わっていきたいと思わせてくれた出来事でした。(博)